スペシャル
原作者:西尾維新先生 直撃インタビュー
『化物語』の原作者である西尾維新先生に、アニメ化への想いや、発売が迫るドラマCDについて、お話を伺いました。
――まず最初に『化物語』執筆のきっかけについてお聞かせ下さい。
2005年に『戯言シリーズ』を書き終わった後、その後の展開が特に決まっていなかったんです。それで時間も空いていたので、いったん仕事から離れた小説を書いてみようと思ったのがきっかけですね。だから『化物語』の上巻パートは、特に私の趣味性や好みが色濃く出ていると思います。
――『化物語』の大きな魅力の一つである「掛け合い」は、どのように生み出されているのでしょうか?
基本的に、どのページを開いた時にもギャグの要素がある様にしようと思っています。やはり読んでいただく時に、いつでも楽しんで欲しい、一気に読み終わって欲しいですから。と言って、ああいう「掛け合い」を試行錯誤しながら詰め込んでいる訳ではなく、基本的には一気に書き上げています。というのも、私自身が誰よりもこのシリーズが好きなので、一読者としてとにかく早く先を読みたいから。途中で執筆を停めたくないんですよ。
――それでは、その『化物語』がアニメ化されるというお話を聞かれた時はいかがでしたか?
この小説は「西尾維新の集大成であり新境地」だと自信を持っていたのですが、なかなか日が当たらずここまで来ていたので、まだ正直、いきなりの展開に戸惑っている段階です。
――今回、アニメーション制作を担当する新房監督とシャフトさんについてお聞かせ下さい。
大変楽しみにしています。実はすでに途中経過のものを拝見していますが、読者の方にも「是非期待していてください」とお伝えできる作品になっていると思います。
――先日行われた第1話とドラマCDのアフレコをご覧になられて、実際に音で聞く掛け合いや、各キャラクター達の声はいかがでしたか?
私が小説を書いている時には、頭の中には完全に活字しかないんです。ビジュアルも声もない、言わば“活字脳”です。ですから実際に映像を見たり、キャラクター達の声を聞くのは、初対面をやり直しているようでとても新鮮でした。
いろいろな意味で"初めて"聞くことができたキャラクター達の声、そして、現場で目の当たりにしたプロの声優さん達の演技は、本当に素晴らしかったですね。
――そのドラマCD「アニメ 化物語 -佰物語-」は、ご自身で脚本を書かれたとの事ですが、いかがでしたか?
ショートショートを100篇収録したものになるのですが、先ほどお話した小説の作り方とは違う、「誰かが声に出して読むもの」「読みものではない聞きもの」であることを前提にキャラクターのセリフを考える執筆だったので、自分としても新鮮な作業でした。
これは、決して自らシナリオを書いたから宣伝するわけではなく、収録を拝見したからこそ言えるのですが、凄く面白いものになりました。プロの声優さん達の力はすごいです。
――では最後に、ファンに向けてメッセージをお願いします。
もし『化物語』を未読の方は、アニメを見てから小説を読んでみてください。どんな感想になるのかとても興味があります。
――ありがとうございました。
西尾維新/プロフィール
1981年生まれ。2002年、若干20歳にして「クビキリサイクル」が第23回メフィスト賞を受賞。
以降「戯言」シリーズ、「人間」シリーズなどを驚異的なスピードで上梓する。
2009年7月、満を持して「化物語」がアニメ化される。